2011年9月3日土曜日

被災地ボランティア第5便レポート 南関東営業所 小峯 ③

827日 津波をかぶった畑、魚網のクリーニング
この日は、埼玉県から旅行会社のコーディネートで、高校生を中心に多くの方々がバスでボランティア活動に参加に来てくれました。
二手に分かれて、午前中は1チームは津波をかぶってしまった畑の片付け、もう1チームは魚網の掃除、午後からは合流して畑の片付け作業を行いました。





私は畑掃除班に入りました。畑に到着してみると、津波が運んできた漂着物まじりの土の上に背の高い夏草が生い茂り、とても野菜を育てていた場所には見えませんでした。

機械で草を刈り払い、スコップで漂着物を掘り起こし、手作業で根を抜きました。服、下着、食器、おもちゃ、会社の書類や看板、ストーブや電柱など、生々しい生活の跡が大根や人参とともに草の合間や地面から出てくるさまは、不思議なように感じました。

午後からは魚網クリーニングチームも加わり、総勢40名程度での作業です。夏草で覆われていた土地は見る見るきれいになりました。

草や漂着物は、道路脇に集めて積み上げました。
「この後、どうなるか決まっているですか?」
「さあ、どうしましょうか…」
見渡せば同じようにいたるところで道路脇に漂着物が積み上げられています。膨大な量の災害廃棄物の行き先は、まだ多くの場所で決まっていません。

掃除を終えて夕方、今度は支援物資を配りにRQ歌津センターの近隣に建つ仮設住宅をまわりました。
「支援物資はご入用でしょうか。水、米、醤油や缶詰などがあります」
といってまわると、今困っていないから困っている人に回してください、という方や、ありがとうございます、本当に助かります、と様々な方がいらっしゃいました。
「支援物資は、難しいんです。」
先輩ボランティアの方は言います。
平等に配布しなければ、むしろ確執のもとになってしまうこともあるとのこと。ひと世帯あたりの人数や、行政の支援をどの程度受けられているのか、世帯ごとの事情を把握する必要があると言います。
「行政の一律な支援では手の届きにくい部分を、丁寧に手当てするのが私たちの役割ですから」
と話してくれました。